14.メモ取り②

モ取りの続き。さて、A4サイズのノートを縦半分に折りました。通訳中、耳に入ってくる情報を縦半分にしたこの細長い用紙にどのようにメモにしていくのかを考えてみましょう。プロの通訳者たちはそれぞれ現場で鍛えた、または培ったスキルというものがあり、自分が一番やりやすいメモ取りの方法があります。ここでは、一般的なメモの取り方をご紹介したいと思います。

普通であれば、左から右へと情報を真っ直ぐに記載していきますが、通訳のメモでは、左から右下の方へと情報を落としていきます。(下の図を参照)

なぜ、左から右下へと情報を落としていくのか。それは、「意味のかたまり」の切れ目を理解するためです。普通のように左から右へと横に真っ直ぐ情報を落としていては、どこまでが「意味のかたまり」かを見た目で瞬時に判断することが出来なくなってしまいます。左から右下へと流れいるかたまりはひとつの意味内容として一気に訳していきます。また、左に戻った内容は、次の「意味のかたまり」として通訳をしていくのです。

では、左から右下へと何を書いていくのでしょうか。通訳のメモはディクテーションのように全文を書き留めるものではありません。耳で聞いて理解し分析した結果をメモするのが通訳のメモです。そのため、記号、数字、カタカナ、略字などを駆使して、自分だけがわかる地図を描くようにメモを取っていきます。

一つの言語を耳で聞きながら、別の言語に置き換えてメモを取るのは、簡単なことではありません。初めのうちは、メモを取ろうとするとオリジナル音声への理解が止まってしまったり、音声だけに注意を払い過ぎると、年代、数字、固有名詞、などの大事な情報をメモすることを忘れてしまったりと、結局、音声理解もメモ取りも中途半端になってしまう、という悪循環に陥ってしまいます。メモ取りは練習すれば自分なりの記号やメモの取り方のスタイルが出来上がりますので、何度も失敗しながらまずは、メモを取り続けてみましょう。後から何を書いたのかさっぱり分からないメモほど悲しいものはありません。自分だけのスタイルを見つけるためには、日々の練習しかありません。次回は実際にメモを取る作業をしていただきます。

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