13.メモ取り①

ここまで、通訳者になるために必要な、語彙力、日本語運用能力、リスニング力の重要性をご紹介してきました。もう一つ、必要なスキルをご紹介します。皆さんもテレビなどでご覧になったことがあると思いますが、通訳者は現場でメモを取りながらオリジナルの英語や日本語の音声を聞いて理解し、取ったメモを土台にしながら、通訳(デリバリー)をしていきます。この通訳者のメモとはどのよう形になっているのでしょうか。リスニングの学習でよくやるディクテーションとは何が違うのでしょうか。

通訳者さんにはそれぞれ自分のスタイルというものがありますので、絶対にコレ!とは言えませんが、よくあるメモ用紙のサイズは、A4サイズのノートです。あまり小さいノートだと通訳メモですぐに埋まり、ページをめくることが大変になってきますので、A4サイズくらいがちょうどいい感じです。

鉛筆、シャープペンシルは使ってはいけない、というルールはもちろんありませんが、メモを取っている最中に芯が折れてしまう可能性もありますし、折れた後、カチカチと次の芯を出している間にもスピーカーの話はどんどん進んでしまいますので、ボールペンでメモを取るようにします。意外とボールペンにこだわる通訳者は多く、ノートとの摩擦が少なく、スラスラと書けるご自慢のボールペンや滑りのいい紙をお持ちの通訳者は実は多いのです。

A4サイズのノートとボールペン。皆さんは、まずこれを用意しましょう。さて、次に、実際にどのように通訳者はメモを取っているのでしょうか。こちらも各々自分だけのスタイルがありますので、絶対にコレ!とは言えませんが、A4サイズのノートを縦半分に折ってメモを取るスタイルが主流です。

通訳とは、まず「音声を聞いて理解すること」が大切で、聞いた音をすべて書き取ることではありません。聞いた音を一字一句すべて書き取るディクテーションとはまったく違うメモとなります。通訳者が取るメモには、「聞いて理解したことの結果」が残ると考えてください。この「聞いて理解したこと」とはいったいどのようなものなのか。次回のコラムで詳しくご説明します。

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