9.通訳者の耳①

第6回でご説明した通訳の一連の流れをもう一度確認しましょう。今回は、最初の→である、スピーカーの音声を正しく理解するために、どのような訓練方法があるのかご紹介します。

スピーカー → 通訳者 → 聞き手

訳者はスピーカーの発言を聞き漏らさず、誤解することなく理解しなければなりません。「ねーねーもう一回言ってくださーい」と呑気に現場で言えたらどんなに気楽なことか。英語を瞬時に理解するにはどのような訓練をすればよいのでしょうか。英検のリスニング問題でも、TOEICの問題でも、リスニング教材でも音声とスクリプトが揃っているものを何でもいいのでひとつ用意してください。準備はできましたか?では通訳者になるためのリスニングの訓練であるSTEP1からSTEP6にトライしてみましょう。

STEP 1 聞き取り総合力

自分の理解の程度と正確性を確認。聞き取った内容を自分の言葉で再表現。

まずは、スクリプトは一切見ず、メモも取らず、音を聞いてみてください。聞き終わってからどのような内容だったのか、自分の言葉でいいので聞き取った内容を日本語で説明してみましょう。この段階では、自分が聞き取った内容が音声と合っているかどうかは関係ありません。とにかく聞こえた音を頼りにざっと訳してみてください。音声は、最低5回は聞いてもらいたいところです。

STEP 2 プロソディ・シャドーイング

聞こえてくる音をすべて声に出すつもりでシャドーイングをする。意識は意味よりも音の再現におく。

確実に落ちる箇所
① 知らない単語
② 知っているのに聞き取れない単語
③ 聞き取れていたとしても普段自分が使い慣れていない単語

次に、スクリプトはまだ見ずに、シャドーイングをします。ここでは、音の再現だけに集中して、内容の訳を考える必要はありません。自分が録音機器になったつもりで、聞こえてくる音を再現しましょう。しっかりと声にだしてください。「シャドー」とは「影」のことですから、音に影を付ける感じでただ音を再現するだけで大丈夫です。口が上手く回らないところもあるでしょうが、一切気にする必要はありません。最低10回はシャドーイングをしてみましょう。

STEP 3 と STEP 4 は次回のコラムでご紹介。

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