7.体言止め

翻訳とは、ただ単に英単語をひとつひとつ日本語に置き換えるのではなく、オリジナルの言葉、表現、文章がどのような状況で使われているのかを熟考し、日本語として違和感のない自然な表現を使った訳文に仕上げることです。では皆さんも試行錯誤と、創意工夫を凝らしながら、以下の英文の翻訳を考えてみましょう。渡辺直美さんを紹介した英字新聞の記事を翻訳してほしいとあなたは依頼されました。どのような訳文を完成させますか。

Naomi Watanabe is huge in Japan. She’s got almost 6 million followers on Instagram and she’s a regular on television shows and magazine covers. She’s also literally huge. The 29-year-old comedian is double the average weight of Japanese women her age.

“My ideal body is that of a sumo wrestler ? big but muscular,” Watanabe said with a laugh.

いかがでしょうか。英語好きの皆さんであれば理解できる語彙の範囲です。上手く翻訳できましたか?では、一つずつポイントを確認していきましょう。

まずは、次の英文を訳してみてください。

Anderson Cooper is a journalist. He was born and grew up in New York.

直訳してみると、
「アンダーソン・クーパーはジャーナリストである。彼はニューヨークで生まれ育った」
となりますが、前回のコラムでも説明したように、代名詞は意味不明にならない限り、日本語では省略することができますから、

「アンダーソン・クーパーはジャーナリストで、ニューヨークで生まれ育った」

と訳せます。これで訳としては大きな問題はありませんが、渡辺直美さんを紹介した「新聞の記事です」と冒頭で紹介したように、新聞の記事はスピード感がとても大事です。また文字数の制限もありますから、以下のように翻訳してみましょう。

「アンダーソン・クーパーはジャーナリスト。ニューヨークで生まれ育った」

この体言止めで訳すことで、文章がスッキリし、文章にスピード感が出ます。文末の口調を選択するときに気を付けたいのは、「~である」「~であった」と同じ表現ばかりで文章を終わってしまうと、トーンが単調でつまらなくなってしまうということです。ここで紹介した体言止め以外にも、倒置法を使うなどさまざまな文章の工夫をして読みやすい訳文を目指しましょう。

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